シロバコとは映像業界で使われる言葉で、ひとつの作品が完成した際に制作会社が納品する白い箱にビデオやDVD入ったもののことで、制作者が最初に手にする事が出来る成果物のことである。

この物語は、5人の夢追う女性を中心に、シロバコの完成を目指し奮闘するアニメ業界にスポットを当て日々起こるトラブルや、クリエイティブな仕事ゆえに起こる葛藤や挫折、集団で作るからこそ起こる結束や衝突といったアニメ業界の日常を描いた品である。

現実ではもっとドロドロしているかもしれない部分も前向きにパロディぽくさわやかに描かれているし、業界ならではのネタや技術とかも出てきて非常に面白い。

このアニメを見ると1つの作品にこれだけ多くの人が各自の担当の仕事にベストを尽くし、その集大成で1つの作品が完成するということが素人が見ても十分理解できる。

今まで見たアニメのあの名場面が、こうした過程と作り手の想いが込められてると思うと、感慨深いものがあるし、この作品を見てからのアニメの見方や感じ方もまた変わってくるだろうと思う。

アニメの企画から放送までの、莫大な時間と労力と制作関係者がアニメにかける想いが是非報われて欲しいと思うし、間接的に現在の「アニメの違法アップロード」等々の問題も考えさせられる作品ではある。